毎年手作りする人もいる、梅干し。
年代物の梅干しを大事に食べているという人も多いのではないでしょうか。
しかし、作られてから年月が経った梅干しに、まるでにこごりのようなゼリー状のドロドロしたものが付着していた!なんてことはありませんか?
今回は、梅干しに付着したゼリー状のにこごりみたいなドロドロしたものの正体についてご紹介します。
梅干しに付くゼリー状のドロドロは「ペクチン」
梅干しに付着したゼリー状のにこごりみたいなドロドロしたものの正体は、梅の実に含まれる「ペクチン」という成分と梅酢が反応して固まった物です。
要するに「梅酢ゼリー」のようなもの(^^)
つまり、梅干しに付着したゼリー状のものは食べても全く問題ありません!
ペクチンというのは食物繊維の一種で、果物に多く含まれている成分です。
糖分と酸をペクチンに混合することで、ゼリー状に固まる性質を持っているため、天然のゲル化剤として加工食品にもよく使われる成分なんです。
身近なところでは、ジャムにとろみがつくのもこのペクチンの作用です。
また、ペクチンはカルシウムと反応することでもとろみがつくため、フルーチェなどの牛乳と合わせて作るデザートにも使われています。
梅干しの材料である梅の実も果物ですので、ペクチンが含まれていますが、梅干しを漬けてからの保存期間が長いほど、梅酢の水分が抜けて濃いペクチンの塊となり、ゼリー状になるというわけです。
むしろペクチンは食物繊維の一種ですので、コレステロール値や血糖値を下げたり、便秘や下痢を改善するなどの体に良い効果も期待できます。ぜひ美味しくいただきましょう♪
生の梅の実につくゼリー状のものは「ヤニ果」
塩漬けにした「梅干し」ではなく、木から摘んだばかりの生の梅の実に、ゼリー状のものがついていることもあります。
生の梅の実に付くゼリー状のものはペクチンではなく「ヤニ果」というもの。
ヤニ果とは、梅を栽培する際に水不足だったり、ホウ素という微量成分が不足するなどの原因により、梅の実の成分が染み出してヤニのように固まってしまったもので、一種の生理障害です。
また、品種によるものや、カメムシなどが梅の果液を吸ったところからヤニが出ることもあるようです。
ヤニ果は梅の実の成分ですので、梅干しにしても身体に害になることはありませんが、とても硬いので食べるにはあまり適しません。
まとめ
梅干しや梅の実に付くゼリー状のものについてご紹介しました。
梅干しに付くゼリー状のものはペクチン、生の梅の実に付くゼリー状のものはヤニ果だということがわかりましたね。
梅干しから出るゼリー状のペクチンは美味しい梅の証です。無駄なくいただきましょう♪