冬に美味しくなる春菊。
味にクセのある野菜なので好みが別れると思いますが、おひたしや鍋料理などに入れるととても美味しいですよね!
しかし、この春菊を料理するとき、「クセのあるものってアク抜きするイメージだし、春菊もアク抜きってした方がいいの…?」って悩んだりしませんか??そもそも、春菊にあまり馴染みが無いので、どうやったら美味しく食べられるのだろう、と思いますよね。
今回は春菊はアク抜きが必要なのか、また美味しい食べ方などについて見ていきましょう!
春菊のアクの正体は?何の成分?
春菊のアクのもととなる、あのクセがある独特のえぐみの正体は、シュウ酸とよばれる成分です。
シュウ酸とは、様々な野菜のアクの素でもあり、食べると体内でのカルシウムや鉄の吸収を阻害してしまう作用があります。
このシュウ酸、摂取しすぎてしまうと体内でのカルシウムや鉄の吸収を阻害するだけでなく、尿路結石の原因となってしまうことがあります。尿路結石とは、尿の通り道に石が詰まってしまい、激痛を伴う病気です。
私の家族も1度かかりましたが、本当に痛そうでした・・・。
春菊のアク抜きは必要?シュウ酸の量はどのくらい?
春菊のシュウ酸の量は、約100g中に27mg含まれています。
でも、これだけ言われてもピンときませんよね。
比べる対象として、シュウ酸が多い野菜として有名なほうれん草を見てみると、ほうれん草のシュウ酸の量は約100g中に650mgです。
あれ?意外なことに、春菊って意外にもシュウ酸が少ないではありませんか!びっくりしました。
なのでシュウ酸の量だけを見ると、摂取しすぎの心配もないので、アク抜きは必要ありません。
でも私的には、シュウ酸の多いほうれん草より春菊の方が苦く、えぐみも感じます。なぜでしょうか。その理由を次で述べます。
ほうれん草よりもシュウ酸が少ない春菊の方がえぐみや苦味を感じるのはなぜ?
まず、ほうれん草の方から見ていきましょう。ほうれん草は基本的に、茹でて調理しますよね。茹でると、アクを抜くことができるので、その分シュウ酸の量も減ります。
その理論でいけば、春菊の方が茹でるとさらにシュウ酸が減り苦味やえぐみも感じにくいと思いますよね。
しかし、春菊の葉の部分に含まれるポリフェノールという成分が、それを邪魔しているのです。
この春菊に含まれるポリフェノール、長い時間加熱すればするほど苦くなってしまう性質があります。
なるほど、だから加熱するとシュウ酸は減っても、逆にポリフェノールが細胞から流れ出してしまうので、えぐみや苦味を感じやすくなってしまうのですね。
春菊の美味しい食べ方は?
とは言っても、やはり春菊は加熱してお鍋とかに入れて食べたい!という方に、オススメの方法があります。
それは、春菊の茎を葉を別々に加熱すること!
春菊の葉は10秒くらいの加熱でさっとゆでるくらいで充分です。その方が、春菊本来の風味とシャキシャキ感が楽しめます。茎は、それほどポリフェノールが含まれていないので、鍋の具材と一緒に煮込んでしまって大丈夫ですよ。
おひたしなどにして食べたい!という方は、やはり葉と茎を分けて茹でてください。葉はさっとで大丈夫です。そしてよく冷水でしめ、水気を絞ります。
もちろん、シュウ酸が少ないので、春菊が好きな方は生で食べるのも美味しいですよ!しかし、泥や汚れなどが付いているのでよく洗ってから食べてくださいね。生で食べる以外でもよく洗ってから料理してください。
さいごに
いかがでしたか?
春菊には、思ったよりシュウ酸が含まれておらず、アク抜きも必要ありません。
独特のえぐみや苦味はシュウ酸のせいではなく、ポリフェノールのせいだったのです。
しかし、うまく料理すれば、春菊の独特のえぐみや苦味を感じず、本来のおいしさを楽しむことができます!
私もこれからは鍋料理の時、春菊の葉と茎を分けて入れようと思います。