春の味覚として人気のあるそら豆。ホクホクした食感がとても美味しく、おつまみにも最適ですよね。
そんな人気のあるそら豆ですが、下痢や中毒を引き起こすという噂があるんです。また、アレルギーも心配で、一日に何粒まで食べていいのか気になるという方も多いのではないでしょうか。
今回は、そら豆は一日に何粒まで食べていいのか、下痢や中毒、アレルギーを引き起こす原因についてご紹介します。
また、そら豆の栄養や食べるとどんな効能があるのかについてもご説明しますね。
そら豆は1日に何粒まで食べていい?
そら豆は豆類の一種。厚生労働省では、豆類の1日あたりの摂取量は100グラム以上が目標と推奨しています。
豆類には大豆など他の豆も含まれますので、そら豆での豆類摂取量を1日30~40グラム程度と考えると、6~8粒ほどが目安ということになります。
ただし、これはあくまで目安です。一度に大量に食べすぎたり、何日も続けてたくさん食べるようなことがなければ、そこまで気にする必要はありませんよ。
平均的なサイズのそら豆なら、茹でそら豆1粒あたりのカロリーは約5kcal程度です。よほど食べ過ぎなければ太る原因にもなりにくく、ダイエットをしている場合でも特に支障はないでしょう。
そら豆だけでなく、納豆や煮豆なども合わせてトータルで豆類を摂取すできれば理想的ですね(^^)
そら豆が下痢・中毒・アレルギーの原因になる?
美味しくて栄養価も高いそら豆ですが、人によっては下痢・中毒・アレルギーの原因になることもあります。
そら豆中毒
そら豆中毒なんて聞いたことがないという人もいるかもしれません。というのも、日本人でそら豆中毒を起こす人は少ないんです。
そら豆中毒はイタリアなどの地中海沿岸各地、北アフリカ、中央アジア各地などの地域ではわりとよくある食中毒です。
この地域に住む人のなかには、遺伝により「グルコース-6-リン酸化脱水素酵素」という酵素が欠乏している人がいます。その体質を持った人がそら豆を食べると、発熱・倦怠感・黄疸・貧血といった症状を起こすことがあるのです。
これがそら豆中毒です。
つまり、そら豆に何らかの毒があるわけではなく、体質的に受け付けない人のみが起こす症状なんですね。
日本人ではそら豆中毒になったという報告はないようですので、あまり心配することはないでしょう。
そら豆の食べすぎで下痢や腹痛を起こすことも
そら豆は食物繊維が豊富な食べ物です。
特に不溶性食物繊維が多く含まれるので、適量であれば便の量を増やして便秘改善に役立ったり、腸内をキレイにしてくれる働きがあります。
しかしもともと腸が弱い体質の人にとっては、食物繊維の過剰摂取が腸への刺激となり、腹痛や下痢の症状を起こすこともあります。
またこれは豆類全般に言えることですが、生の豆類には「レクチン」という成分が含まれており、レクチンを摂取すると吐気・嘔吐・下痢を起こす場合があります。
しかしレクチンは充分加熱することで毒性が無くなりますので、そら豆を生のまま食べるようなことをしなければ心配することはありません。茹でる場合は、沸騰した状態のお湯で5分以上しっかり加熱するようにしましょう。
そら豆アレルギー
そら豆はアレルギーを起こしにくい食品で、大豆アレルギーを持つ人のための醤油など、アレルギー用代替食品の原料としても使われています。
ただし、食品ですので、アレルギーを起こす人が全くいないというわけではありません。
大変まれなケースではありますが、そら豆が遅延型アレルギーを起こすこともあります。
遅延型アレルギーとは、摂取してから6時間から24時間後に症状がでるのが特徴。遅延型フードアレルギーを起こす「IgG抗体」は、同じ食べ物をしょっちゅう食べ続けると作られてしまいます。
ただし、IgG抗体は6ヶ月で作り直されるとされていますので、食べるのをやめれば抗体はもとに戻ります。
アレルギーの心配のある人は、そら豆を大量に何日も続けて食べ続けるということは避けましょう。
そら豆の栄養と効能
そら豆はとても栄養豊富な食べ物で、たんぱく質やビタミン、ミネラルを多く含みます。
■そら豆に含まれる栄養成分(100グラムあたり)
エネルギー(カロリー) | 102kcal |
糖質 | 12.9g |
たんぱく質 | 10.9g |
脂質 | 0.2g |
カリウム | 440mg |
鉄 | 2.3mg |
ビタミンA(レチノール活性当量) | 20μg |
ビタミンK | 18μg |
ビタミンB1 | 0.30mg |
葉酸 | 120μg |
ビタミンC | 23mg |
食物繊維 | 2.6g |
ここからは、そら豆の栄養成分についてご説明します。
たんぱく質
人間の体を構成する成分、たんぱく質。
たんぱく質はアミノ酸からできていますが、そら豆には「リジン」という必須アミノ酸が植物としては比較的多く含まれます。
リジンは小麦粉や精白米などの穀物に少ないため、米食が多い日本人には必要な栄養素といえます。
しかし同じ必須アミノ酸であるトリプトファンは少なめなので、肉類・乳製品・大豆など、他の食品と一緒に摂るのがよいでしょう。
カリウム
カリウムは塩分(ナトリウム)の排出をサポートする働きがあるため、塩分の摂取が多い人にとっては重要なミネラルです。
また、細胞の浸透圧を調整する働きがあるため、むくみが気になる女性にとっても大切な成分です。
ビタミンB群
そら豆は、ビタミンB1・ビタミンB2・葉酸といったビタミンB群が豊富です。
ビタミンB1・ビタミンB2はエネルギー代謝をサポートしているため、疲労回復には欠かせない成分。
葉酸は細胞や赤血球を作り出すサポートをしており、特に体の成長には欠かせません。
ビタミンC
ビタミンCは、皮膚や細胞内のコラーゲンを生成するのに欠かせない栄養素です。
また抗酸化作用が高く、体内の活性酸素の働きを抑え、免疫力のアップに役立ちます。
人間はビタミンCを体内で合成することができないので、食事から摂取する必要があります。
食物繊維
そら豆は特に不溶性食物繊維を多く含みます。
不要性食物繊維は腸内で水分を含むことで腸を刺激し、動きを活発にするため排便を促す働きがあります。
そら豆の不溶性食物繊維は特に薄皮に多く含まれますので、薄皮をむかずにそのまま食べるとより効果的に摂取することができます。
ただし、食物繊維が多い反面、食べ過ぎるとお腹を壊すこともありますので食べ過ぎに注意してくださいね。
そら豆の美味しい食べ方は?
旬のそら豆は、美味しい食べ方もいろいろ!調理法を変えて楽しみたいですね。
塩ゆで
そら豆をさやから取り出して塩ゆでをするだけで、そのままおつまみにぴったり!
またサラダや和え物にしても美味しいですね。
丸焼き
さやのままのそら豆を魚焼きグリルに並べ、さやが黒く焦げるまで焼きます。
そら豆がさやの中で蒸し焼きになり、みずみずしくふっくらとして甘い仕上がりに!
揚げる
さやから取り出したそら豆をそのまま素揚げにしたり、他の具材を合わせてかき揚げにするのもおすすめ。
そら豆ごはん
塩と昆布だしで炊き上げたごはんに、塩ゆでしたそら豆を混ぜ合わせる「そら豆ごはん」。
ホクホクと甘いそら豆のおいしさを存分に味わえますよ。
そら豆は適度な量を美味しく食べよう!
そら豆は、たんぱく質・ビタミン・ミネラル・食物繊維などの栄養成分を豊富に含み、美味しい上に健康や美容にも役に立つ食べ物です。
しかし大量に食べ過ぎることで腹痛や下痢を起こす可能性もあるので、お腹の弱い体質の人は注意して食べるようにしましょう。
食べすぎには気を付けて、春の味覚のそら豆を美味しくいただきましょうね♪