東大生・京大生のバイブルともいわれたベストセラー「思考の整理学」の著者、外山滋比古さん。
94歳となっても多方面で研究を続けられる思考の源とは何なのでしょうか。
今回は、外山滋比古さんの著書で特におすすめの本3選をご紹介します。
「思考の整理学」大学生に人気のロングセラー
思考の整理学は、教育論についてや人間の考え方について比喩も入れながらわかりやすく書かれています。
例えば、「グライダー」という章では、グライダーと飛行機を比べて、学校教育の問題点を明らかにしています。
学校は教えてくれる先生が知識を教えてくれる場所であり、自学自習をあまり行わないため、自分で飛び上がることが出来ないままのグライダー人間を養成するところであり、飛行機人間は作らないままです。
一見するとグライダーも飛行機も飛んでいるように見えますが、グライダーは自力で飛ぶことは出来ません。
グライダーのままだとコンピューターに仕事を奪われてしまう可能性も出てきます。
このように、難しい内容でもグライダーと飛行機を使いうまく頭の中で想像できるようになっています。
教育については様々な本が世の中に出回っていますが、専門的な言葉を使っていてあまり意味が分からなかったり、一般的に言えるのかどうかが不明だったりしますが、思考の整理学では、一般的な事象でわかりやすく書かれているため、堅苦しい感じではなくスラスラと読めます。
「傷のあるリンゴ」常識の裏?ものの見方が興味深いエッセイ
「傷のあるリンゴ」というタイトルの通り、リンゴは傷があると甘みが増すということについて書かれています。
しかし、ただ単に傷のあるリンゴのことについて書かれているのではなく、人間についてもよく似たことが言えるという風に諭しています。
リンゴに傷があるのがうまいのは、人間では綺麗で非の打ち所のない人よりもちょっとだけかけたところのある人の方がいいように感じられるということである。
また、リンゴのように傷を受ける(失敗や挫折を味わう)と甘みが増す(人として成長する)ということについて書かれています。
例えば、「忘れるが勝ち」という章では、失敗のショックを人に言いふらすのもじっと心の中で我慢するのも良くなくて、なるべく早く忘れることで後ろ向きにならず、前を向いて新しい目標を見据えられるということが書かれています。
「失敗は恐ろしくない。ただ失敗に負けていつまでもくよくよしていてはいけない。新しい目標を作ってそれに向かって盲信すればさっきの失敗など何でもなくなる。」(本文より引用)
失敗をしないようにしなければいけないですが、それでも失敗してしまうこともあります。
その時に、前を向けるかという部分でライバルと真の差が生まれると思います。
このように「傷のあるリンゴ」というタイトルからも人としての教訓をいろいろな観点から見ていくといった作品になっています。
また、章によってタイトルが細かく分かれているため1章10分程度で読めるので気軽に読み進めることが出来ます。
「ちょっとした勉強のコツ」頭が良くなるコツって?
「ちょっとした勉強のコツ」では、昔から伝わることわざの真の意味を追求して、勉強につながる部分をうまくリンクさせて説明されています。
例えば、「朝飯前」という章では、普通の意味は「朝食をとる前のわずかな時間でできるような、たやすいこと」ですが、この言葉について元々の意味は頭を使う仕事は朝で且つお腹が空いている朝食前が一番捗るという意味でした。
だから前の晩にどうしてもうまくいかないときは一度寝て朝イチに考えるとすごく簡単に思えるぐらい能率が良くなることもあります。
難しい頭を使う勉強(数学など)は嫌にならないうちに朝飯前に済ませてしまいましょうという教訓だということです。
このように、普段は受験に出るからという理由で表の意味だけを覚えてあまり深く考えたことがないことわざ。
しかし、深く考えてみると意外に今の時代でも通用するような教訓もたくさんあります。
「ちょっとした勉強のコツ」は、そういった気づきから勉強のコツを与えてくれる一冊になっています。
まとめ
今回は、いまだロングセラーを続ける「思考の整理学」の著者、外山滋比古さんのおすすめの本3作品をまとめました。
現在も研究を続ける外山滋比古さんの本は、ほかにもたくさん出版されています。
読むと新しい発見が必ずあり、大変おすすめです。
ぜひ一度お読みになってみてはいかがでしょうか。