お正月に、その年の無事や健康をお祈りする初詣。
毎年の恒例という人も多いのではないでしょうか。
そんななか、「初詣に神社に行くのが正しくて、お寺はおかしい！」という意見を聞くことがありますが、そんなことはありません！初詣に行くのは神社でもお寺でもいいんです！
この記事では、「初詣にお寺に行くのはおかしい！」という意見に逆らうべく、さまざまな観点からお寺でも神社でも良いという事実を検証していきます。
初詣にお寺はおかしくない！どちらでもOKな理由とは
初詣にお寺に行くのは何もおかしくありません。お寺でも神社でもいいんです。
ここではOKな理由について解説していきます。
初詣の定義では、社寺どちらでも良い
広辞苑で初詣について調べてみると、このように書かれています。
はつ‐もうで【初詣で】
新年にはじめて社寺へお参りすること。はつまいり。
出典：広辞苑
初詣の定義は「新年に社寺へお参りすること」となっています。
つまり、日本語としての定義でも、初詣の行先は神社でもお寺でもいいのです。
日本人の信仰のルーツ
日本人のルーツから見ても、初詣はお寺でも神社でも良いんです！
というのも、もともと古くからの日本では、神道・大乗仏教・祖霊信仰が一体化した「神仏習合」という信仰が一般的でした。
平安時代には、神社が寺機能を持ち、寺が神社機能を持っていたといわれています。
それが明治時代初期になって、神仏分離が行われたことで、神道と仏教は分けて考えられ、違う機能を持つものになったのです。
つまり、日本人の信仰のルーツとしては、初詣だけに限らず、寺社への参詣には神道･仏教の区別は無かったんですね。
大晦日・元旦の祈願はお寺でも神社でも行われる
初詣は年越しを兼ねて大晦日から参拝するという人も多いでしょう。
大晦日から元旦にかけての祈願や行事は、お寺でも神社でも行われます。
つまり、お寺・神社どちらに初詣に行っても、年越しを祝うことができるのです。
■大晦日に行われる行事
- お寺・・・除夜の鐘、歳末回向
- 神社・・・年越しの大祓い（除夜祭）
■元旦に行われる行事
- お寺・・・修正会（しゅしょうえ）
- 神社・・・元旦祭
初詣の発祥は、実はお寺だった！
初詣という風習、実はそれほど古くからあるものではなく、発祥のきっかけもお寺だったのです！
なんと初詣は、明治時代から始まった風習なんだとか。それまでは、正月は出かけずに家でゆっくりと過ごす人がほとんどだったんです。
明治時代に、日本に鉄道が走り始めました。しかし、正月期間は人々は家にこもっているため、鉄道会社の収益が伸び悩んでしまったのです。
が問題となっていました。東京から茨城方面へ鉄道が開通した時に、乗降客数をアップしようと鉄道会社が考えたそうです。
そこで、鉄道会社が考え出したのが、「初詣」というイベントです。
鉄道会社としては乗降客が増えるし、神社仏閣としては参拝客が増えるということで、win-winの良い施策だったんですね。
最初は「成田山新勝寺で初詣へ汽車で行きませんか」というポスターを作ってキャンペーンをし、これが大ヒット。多くの人々が成田山へに初詣に訪れたそうです。
この成功をきっかけに、成田山と同じ真言宗のお寺を中心に、初詣の風習を浸透させるPRが広がったんだそうです。
初詣の発祥はお寺ですし、そして目的は「お正月に人々に鉄道を利用して参拝させること」ですので、行先は神社仏閣全般どこでもOKというわけです。
お寺と神社では参拝方法は違う
初詣に行くにはお寺でも神社でも良いということがわかりました。
しかし、参拝の方法はお寺と神社では違いますので、その点だけ注意したいですね。
お寺での参拝方法
お寺での参拝方法の流れは以下のとおりです。
- お寺の門を入る前に、一礼。
- 本堂の前でも一礼。
- 鐘を鳴らし、お賽銭を入れたのち、合掌してお祈りする。このときに柏手（手を叩く）はしてはいけない。
- お祈りが終ったら一礼。
- 参拝が終わり、お寺の門から出る時にも一礼。
お寺では拍手は打ってはいけないという点に注意してくださいね。
神社での参拝方法
神社での参拝方法の流れは以下の通りです。
- 鳥居をくぐる前に、一礼。
- 手水舎で手や口を清める。
- 本殿の前でも一礼。
- 鈴をならし、お賽銭をいれたのち、二礼二拍手。お祈りがすんだら一礼。
- 鳥居を出る時も一礼。
お寺と神社、どちらでも愛着のあるほうに行こう
初詣はお寺でも神社でも良いということが分かりました。初詣の歴史はそれほど古くなく、実は明治時代からの風習というのも驚きでしたね。
お寺でも神社でも、初詣で大事なのはその一年が良い年になるようにお祈りすることです！すがすがしい気持ちを持ってお参りしたいものですね！
