小麦粉を使って料理をしている時にふと、小麦を粒のまま食べないのはなぜなのか気になったことはありませんか?
米はその粒のまま炊いて食べますが、小麦は粉にして食べるのが当たり前になっていて、粒のまま売られているのは見たことがありません。
今回は、小麦を粒のまま食べずに粉食する理由についてご紹介します。
小麦を粒のまま食べないのはなぜ?
小麦を粒のまま米と同じような食べ方をしない理由とは、は何故か?
粒状に精製するのが難しいから
小麦は外皮が粒全体の約13%もあり、とても硬いのに対し、食用部である胚乳はとても柔らかいという構造になっています。
しかも、胚乳と外皮はぴったりと密着しているうえに、外皮にしわがあるため、簡単に分離することができず、古代の技術では胚乳だけを粒で取り出すことができませんでした。
そのため、小麦は粒状に精製するよりも、粒のまま全て砕いた後、皮だけを取り除いて、粉になった胚乳を取り出すという方法がとられました。
粒のままだと美味しくないから
米は精米しやすい構造であるという理由だけでなく、粒のままで充分美味しいため粉にする必要がないため、古くから粒食がされてきました。
しかし小麦は粒のまま炊いて食べると大変味が悪く美味しくありません。また消化も良くありません。
小麦を粉にして利用することで、グルテンの働きで弾力のある食感が得られたり、焼いて膨らませたり香ばしさを出すことができるため、美味しく食べる手段として製粉されるようになったようです。
小麦を粒のまま食べる料理はある?
大変珍しいですが、小麦をひきわりにした粒のまま食べる料理もあります。
ロシアとポーランドの家庭料理である「マンナヤ・カーシャ」という料理です。
小麦を牛乳で煮て、塩・バター・砂糖で味付けした、ロシア風のお粥といったところです。
お粥が甘いなんてちょっとびっくりですが、ロシアでは古くから伝わる料理なんだとか。
麦飯の麦は小麦ではない?
日本には「麦飯」という食べ物があります。
麦飯は小麦じゃないの?と思うかもしれませんが、麦飯は大麦だけ、あるいは大麦と米を合わせて炊飯したものです。
大麦は小麦と違って、平たく潰すことにより炊飯して米とよくなじむため、粒食することができるのです。
米があまりたくさん取れない地域では、米に大麦や雑穀を混ぜて炊くことが多かったため、麦飯ちおう食べ方が定着したようです。
まとめ
小麦を粒のまま食べずに粉食する理由についてご紹介しました。
精製技術が発達した現在でも小麦は粒のまま食べることがほとんどありませんが、美味しいパンや麺として楽しみたいですね。