最近テレビ番組の食リポなどで塩味のことを「えんみ」と表現しているのを聞くことが多いですよね。
私はわりと最近聞くようになったように思うのですが、これっていつから言われている表現なのでしょう。そもそもどっちが正しい表現なのでしょうか。
この記事では、
- 塩味を「えんみ」はいつから言われているの?
- 塩味は「しおあじ」と「えんみ」どっちが正しい読み方なの?
という疑問について解決しています。
「えんみ」は学術用語としては昔から言われていた
「塩味(えんみ)」という表現は、学術用語としては30年以上前から使われていた表現なんです。
私は大学時代に栄養学部だったのですが、生理学の授業で「味覚の5要素」を表現する言葉として「甘味(あまみ)」「苦味(にがみ)」「酸味(さんみ)」「旨味(うまみ)」「塩味(えんみ)」という表現が使われていました。
ちなみに私が大学生だったのは1990年頃ですので、少なくとも30年以上前から「塩味(えんみ)」という表現が使われていたことになります。歳がばれますが(;'∀')
最近では食べ物を味覚センサーで分析して味覚の5要素で数値化することができるようになったため、食品開発分野や料理人の間でも「塩味(えんみ)」という表現をするようになったようです。
さらにそれが一般の人の間でも使われ始めたのは、テレビ番組における食リポが多くなってきた影響が大きいと思われます。
グルメを売りにした芸能人が、通っぽい雰囲気を醸し出すためのボキャブラリーとして「えんみ」という表現を使い始め、それが一般的になってきたのでしょう。
えんみとしおあじはどちらも正しい!でも意味が違った
では、「えんみ」と「しおあじ」の違いって何でしょう。どちらが正しいのでしょうか。
答えは「どちらも正しい」です。でもそれぞれ意味が違います。
「えんみ」とは食材や料理の塩加減を意味します。つまり、塩の味そのものではなく、さじ加減、つまり塩分の量という意味合いです。塩梅(あんばい)などとも表現します。
それに対し「しおあじ」は、塩でつけた味であるという味付けの表現です。
塩の量のことではなく、「塩味」「味噌味」「しょうゆ味」のような、どんな種類の味なのかを表すときなどに使われる言葉です。
ちなみに、「えんみ」「しおあじ」以外の塩味の読み方として「しおみ」という表現もあります。
「しおみ」とは食材や料理が最初から持っている塩分のことを指します。
例えば海藻や魚介類といった海産物などは、味付けをしなくても素材そのものが塩の味がすることがあります。このような状態を「しおみ」と表現します。
3つの表現についてまとめると、以下のような使い分けとなります。
- しおあじ・・・食べ物に後から塩を加えることにより付けた味。
- えんみ・・・食材や料理の塩分濃度の事。
- しおみ・・・食材に最初からついている塩の味の事。
どれも塩の味を表現しているのは同じですが、意味や使われ方が違うんですね。
まとめ
最近よく聞く、塩味を「えんみ」という表現について、いつから言われてるのか、また「しおあじ」「えんみ」はどっちが正しいのかという疑問について検証してきました。
言葉は時代と共に変化していくものですが、新しく使われ出した言葉も知ることで、表現の幅が広がっていきそうですね!