毎日の食生活で、栄養バランスの取れた食事をするのは難しいですよね。
食事のたびに栄養計算をするのは大変ですが、食品群という考え方を使って食材を選ぶことで、栄養のバランスがとりやすくなります。
食品群の種類には「6つの基礎食品群」・「3色食品群」・「4つの食品群」がありますが、今回はそれぞれの食品群の特徴とそれぞれに食品の分類分けについてご紹介します。
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6つの基礎食品群とは
6つの基礎食品群は、厚生省(現在の厚生労働省)が、国民に対する栄養教育のための教材として考案しました。
6つの基礎食品群の特徴は、それぞれの食品を含まれる栄養素の種類によって6つに分類し、毎日とるべき栄養素とそれを含む食品をわかりやすく示しているという点です。
食品の類別 | 食品名 | 備考 | |
---|---|---|---|
第1類 | 魚 肉 卵 大豆 |
魚、貝、いか、たこ、かまぼこなど 牛肉、豚肉、鶏肉、ハム・ソーセージなど 鶏卵、うずら卵など 大豆、豆腐、納豆、生揚げなど |
良質なたんぱく資源となり、主菜となるもの。 脂質・カルシウム・鉄・ビタミンA・ビタミンB1、ビタミンB2の供給源としても役立つ。 |
第2類 | 牛乳・乳製品 海藻 小魚 |
牛乳、スキムミルク、チーズ、ヨーグルトなど わかめ、のりなど めざし、わかさぎ、しらす干しなど |
牛乳や乳製品には多くの栄養成分を含むが、とりわけカルシウム・たんぱく質・ビタミンB2の供給源として役立つ。 小魚類は、たんぱく質・カルシウム・鉄・ビタミンB2の供給源として役立つ。 |
第3類 | 緑黄色野菜 | にんじん、ほうれん草、小松菜、カボチャ、トマトなど | 主にカロテンの供給源だが、ビタミンC・カルシウム・鉄・ビタミンB2の供給源として役立つ。 第3類に分類される野菜は、可食部100g中にカロテン600ug以上含まれることが原則的な条件となる。 |
第4類 | 淡色野菜 くだもの |
だいこん、はくさい、キャベツ、きゅうりなど みかん、りんご、いちごなど |
おもにビタミンCの供給源。 カルシウム・ビタミンB1・ビタミンB2の供給源でもあり、第3類以外の野菜と果実が第4類に含まれる。 |
第5類 | 穀類 いも類 砂糖 |
ごはん、パン、うどん、スパゲティなど さつまいも、じゃがいも、さといもなど 砂糖、菓子など炭水化物(糖質)の含有量の多い食品 |
糖質性エネルギー源となる食品。 いも類は、炭水化物(糖質)の他に、ビタミンB1・ビタミンCなども多く含まれる。 |
第6類 | 油脂 | サラダ油、バター、マーガリンなど マヨネーズ、ドレッシングなどの油分の多い食品も含む |
脂肪性エネルギー源となる食品。 大豆油などの植物性油やマーガリン、ラードなどの動物性油脂、マヨネーズ・ドレッシングなどの多脂肪食品が含まれる。 |
3色食品群とは
3色食品群は、昭和27年に広島県庁の岡田正美技師により提唱され、その後栄養改善普及会の近藤とし子氏が普及につとめました。
3色食品群の特徴は、含まれる栄養素の働きと特徴から、それぞれの食品を赤・黄・緑の3色に分類しているという点です。
群別 | 食品名 | 栄養素 | 働き |
---|---|---|---|
赤 | 魚 肉 豆類 乳 卵 |
たんぱく質 脂質 ビタミンB カルシウム |
血や肉をつくる |
黄 | 穀類 砂糖 油脂 いも類 |
炭水化物 ビタミンA・D ビタミンB1 脂質 |
力や体温となる |
緑 | 緑黄色野菜 淡色野菜 海藻 きのこ |
カロテン ビタミンC カルシウム ヨード |
体の調子を良くする |
4つの食品群とは
4つの食品群は、昭和5年に女子栄養大学の香川綾博士が東京大学島薗内科にて行った研究から生まれました。
主食を胚芽米にし、副食は魚1・豆1・野菜4の組み合わせを献立のスローガンとして提唱したものです。
その後、昭和31年にこれを「4つの食品群」として改めました。
4つの食品群の特徴は、日本人の食生活に不足しがちな栄養素を補うため、牛乳と卵を最も重要な第1群とし、その他の食品を栄養素の働きと特徴から3つの群に分けているという点です。
群別 | 食品名 | 栄養素 | はたらき | 備考 |
---|---|---|---|---|
第1群 | 乳・乳製品 卵 |
良質たんぱく質 脂質 ビタミンA ビタミンB1・B2 カルシウム |
栄養を完全にする | カルシウムとビタミンB2,ビタミンAが豊富で、良質のたんぱく質、脂質も多量に含まれる。脱脂乳、粉乳、ヨーグルト、チーズなどを含む。魚卵は含まない。 |
第2群 | 魚介・肉 豆・豆製品 |
良質たんぱく質 脂質 カルシウム ビタミンA ビタミンB2 |
肉や血をつくる | 魚・肉類は動物性のたんぱく質、脂質、鉄、カルシウムが含まれ、大豆には植物性タンパク質中の最も良質なものが含まれている。たんぱく質は、毎食平均してとると効果的である。干魚、魚加工品を含む。獣・鶏肉はその内蔵・ハム・ソーセージ・ベーコンも含む。 |
第3群 | 野菜 いも くだもの |
ビタミンA カロテン ビタミンC ミネラル 繊維 |
からだの調子を良くする | 野菜・果物にはビタミンC、無機質類が多く含まれている。緑黄色野菜は体内でビタミンAのはたらきをするカロテンが含まれているので大切である。生の野菜を一皿は食べると良い。淡色野菜、キノコ類、海藻類を含む。 |
第4群 | 穀類 砂糖 油脂 |
糖質 たんぱく質 脂質 |
力や体温となる | 穀物・油・砂糖はエネルギー源になる。油はどの食品よりもエネルギーが高いので油を使うと量が少なくて済む。熱量は個人により、時により、必要量が増減するので穀物で調節する。菓子類、種子類も含む。穀物はでん粉類を含む。 |